ティアグラ(Tiagra)、ソラ(SORA)、クラリス(CLARIS)等を搭載したエントリーグレードのロードバイクを購入し半年もすると、どうしても興味が出てきてしまうのが、
11速化です。
ちなみに、私は自転車を始めた当初クロスバイクに乗っていたので、ジャイアントのエスケープR3の11速化という珍しい11速化を行いました。
※クロスバイク(リムブレーキ車の場合)の11速化が可能かどうかは、リアのエンド幅が130mmかどうかにかかっています。ロードバイクのエンド幅は一般的に130mmであり、ロード用の11速対応ホイールは130mmとなっています。そのため、エンド幅135mmを採用しているクロスバイクは11速化が困難です。
私の話は、さておきエントリーグレードとはいえ初めてロードバイクを購入された方は、10万円以上の出費をおこなったばかり、11速化はしたいけど、いったいいくらかかるんだろうと、気になって仕方ないと思います。
そこで、今回は最安で11速化するのに具体的に幾ら必要なのか、様々なパータンで考えていきます。
条件
ロードバイクの11速化というと、まずメーカーを選ぶところから始まりますが、
今回は日本で入手性も良く、価格も低い、「シマノ(shimano)の105、R7000系(2×11速)」で考えたいと思います。
同じく、シマノの105、旧式の5800系の中古パーツ等を使えば更に安くすることが出来ると思いますが、中古パーツは入手性が安定しないので全てR7000系の新品パーツで考えます。
ちなみに、シマノの以外のメーカーでは、SRAM(スラム)やCampanolo(カンパニョーロ)がありますが、価格が高かったり、入手性が悪かったりするので初めての11速化には向かないと思います。
他にも、本当の「最安11速化」にこだわるのであれば、シマノ互換の中華コンポ、「SENSAH EMPIRE」や「microSHIFT」等を使用すれば、全てシマノで組むよりも安くなりますが、情報がとにかく少なく初めての11速化には向かないと思います。
105 R7000系 リム、ディスクブレーキ共通パーツ
まずは、リムブレーキ車、ディスクブレーキ車、共通のパーツ(コンポーネント)です。
※価格は、2022年5月時点の値を書いていますが、最新の最安値は商品名をクリックすることで確認できます。
※R7000は、カラーにブラックとシルバーがありますが、ブラックの価格で統一しています。
共通パーツ一覧
項目 | 商品名 | 価格 |
クランク | FC-R7000(52-36、170mm) ※歯数は他に(53-39)(50-34)があります。クランク長は、他に160,165,172.5,175mmがあります。 | ¥14,889 |
スプロケット | CS-R7000(11-32T) ※歯数は他に(11-28T)(11-30T)(12-25T)(11-34T)があります。 | ¥5,489 |
フロントディレイラー | FD-R7000 (直付け) ※バンド式もあります。 | ¥3,469 |
リアディレイラー | CS-R7000(GS) ※SSもあります。 | ¥5,694 |
チェーン | CN-HG601-11(116リンク、クリックリンク) ※他にアンプルピンタイプ、126リンクがあります。 | ¥2,603 |
ボトムブラケット | SM-BBR60(ねじ込み式)(68mm) ※圧入式もあります。 | ¥1,758 |
合計は、33,902円
105 R7000系 リムブレーキ仕様パーツ
リムブレーキ車の場合、必要になるパーツです。
リムブレーキ車は、ディスクブレーキ車に比べると比較的安くパーツをそろえられます。
リムブレーキ仕様に必要なパーツ一覧
項目 | 商品名 | 価格 |
STIレバー | ST-R7000(リムブレーキ用) | ¥21,798 |
リムブレーキ | BR-R7000 ※BR-R7010(ダイレクトマウント)もあります。 | ¥7,910 |
合計は、29,708円
他にブレーキ用、シフト用、アウターケーブルやインナーケーブル、バーテープが必要になる場合があります。
105 R7000系 ディスクブレーキ仕様パーツ
ディスクブレーキ車の場合、必要になるパーツです。
最近採用されることが多い、ディスクブレーキ、制動力が高い等のメリットがありますが、価格面においてはリムブレーキと比較すると高くなってしまいます。
ディスクブレーキ仕様に必要なパーツ一覧
項目 | 商品名 | 価格 |
STIレバー | ST-R7020(ディスクブレーキ用) ※ST-R7025(ディスクブレーキ用、スモールハンド)もあります。 | ¥41,000 |
ディスクブレーキ | BR-R7070(ブレーキ) | ¥12,250 |
SM-RT70(ローター)140mm ※他に160,180,203mmがあります。 | ¥5,378 |
合計は、58,628円
他にブレーキ用、シフト用、アウターケーブルやインナーケーブル、バーテープが必要になる場合があります。
以上の計算から、シマノ105(R7000)に交換するのパーツ代で
リムブレーキ車の場合63,610円
ディスクブレーキ車の場合92,530円
かかります。
リムブレーキ車とディスクブレーキ車で28,920円の差があることがわかります。
雨天でも安定した制動力を発揮するなどのメリットがあるディスクブレーキ車ですが、やはり値段は高くなってしまうようです。
さて、それぞれの場合の金額がわかったところで、この金額があれば105に交換できるとかというと、そうではありません。
11速用ホイール
なぜなら、ティアグラ(10速)、ソラ(9速)、クラリス(8速)のホイール(スプロケット)と105(11速)のホイールに互換性がないからです。
ロードバイクのホイールの互換性(シマノ)は表のようになっています。
スプロケット速数ホイール互換表
スプロケット | 8・9速 | 10速 | 11速 | 12速 |
8・9・10速用ホイール | 〇 | 〇 | ー | ー |
10速用ホイール | ー | 〇 | ー | ー |
11速用ホイール | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
12速用ホイール | ー | ー | ー | 〇 |
表からわかるように、8・9・10速用ホイール、10速用ホイールが使用されている場合、11速のスプロケットをはめることができないので新たに11速ホイールを購入する必要があります。
自分のロードバイクにどのホイールが利用されているのかを判別する方法は、スプロケット装着部に以下のようなスペーサーが装着されているか、もしくは型番等から検索して判別します。
・クラリス(8速)、ソラ(9速)の場合
スペーサーなし→8・9・10速用ホイール(11速用ホイール購入要)
スペーサーあり→11速用ホイール(スペーサーを外すことで11速用スプロケットを装着できます)
・ティアグラ(10速)の場合
スペーサーなし→10速用ホイール(11速用ホイール購入要)
スペーサーあり(1.85mm)→8・9・10速用ホイール(11速用ホイール購入要)
スペーサーあり(1.85mm+1.00mm)→11速用ホイール(スペーサーを外すことで11速用スプロケットを装着できます)
さて、自分のホイールが11速用ホイールであれば新たなホイールを購入する必要はありませんが、
8・9・10速用ホイール、10速用ホイールの場合は、11速用ホイールを購入する必要があります。
11速化のみであれば、後輪(リア)のホイールを交換すれば11速スプロケットを装着できるので問題ありませんが、
一般的には、前輪、後輪に同じホイールを利用するので、前後セットの価格で11速に対応する格安のホイールを紹介します。
※クリンチャータイヤの場合を想定しています。
・リムブレーキ車用
WH-RS100-CL(シマノ)
WH-RS100-CLは、リムハイト24mmのリムブレーキ用アルミホイールです。重量1932gと2kgを切っています。
値段:16,886円(2022年5月時点)コンポーネントと合計で80,496円。
・ディスクブレーキ車用
WH-RS171-CL(シマノ)
WH-RS171-CLは、重量1995gのアルミ製ホイールです。
値段:17,281円(2022年5月時点)コンポーネントと合計で109,811円。
これらのホイールが11速用としては、最安級のホイールですが値段変動が大きくため常に最安とは言えません。
他にもホイールの選択肢は、沢山あるので用途にあったホイールを選んでください。
さて、ホイールの選択も完了し完了し、パーツ(コンポーネント)は全て揃いました。
しかし、11速化を完了するには、新たなパーツに交換作業をする必要があります。
コンポーネントの交換は、タイヤのパンク修理等とは、一段階上の知識と工具を求められます。
そのため、以下の二択を選ぶ必要があります。
・自転車店等でコンポーネント交換をお願いする。
メリット
・比較的短時間で確実な交換ができる。
デメリット
・パーツの持込みが可能かどうか確認要。
・工賃がかかる。(店舗にもよりますが2万円弱かかります)
・ロードバイクに対する知識がつかない。
・自身でコンポーネント交換を行う。
メリット
・交換の過程で知識がつく。(ロードバイクに長く乗っていると、チャーン交換、スプロケット交換等様々なイベントが発生します。その度に店舗に行っていると費用も相当な値になってしまいます。それらのパーツを一度に全て触れる機会がコンポーネント交換です。)
・安くすむ、工具一式を所有できる。(かかる費用は工具だけなので、一式揃えても1万円程度で揃います。また、今後使う機会も多いと思われる、自転車専用の工具を揃える機会にもなると思います。)
デメリット
・時間がかかる。(コンポーネント交換に必要な情報は十分にネット上にありますが、それでも初めてやる作業としてはなかなか手間がかかります。)
・最悪一番費用が掛かってしまう。(間違った交換手順を踏んでしまいパーツやフレームに負荷をかけてしまい、破損してしまう恐れがあります。)
どちらを選んでも、メリット、デメリットがあるので、自身に合う方法を選べば良いと思いますが、自身で作業を行う場合はとにかく慎重に行ってください。思い込みで作業してしまうと、取り返しのつかないミスをしてしまうことがあります。
以上が11速化(105R7000系)に交換するのに必要な費用ですが、これは工夫次第で更に安くすることができます。
例えば中古パーツを使ったり、互換パーツを使うことです。私も初めて11速化したときは、クランクは互換パーツを利用しました。