今回は、自転車界の老舗。ビアンキについて解説していきます。
ビアンキと言ってまず思いつくのは、あの独特な水色とも青色とも言えない色の方も多いと思います。ビアンキを象徴するあの色は、チェレステカラーと言われる色で色々面白い話があります。これについても後ほど解説します。
Bianchiの創業
老舗というくらいなので歴史は長く、世界最古の自転車メーカーと言われるくらいです。
ビアンキの創業者、エドアルド・ビアンキは、21歳の時、1885年にイタリアのミラノのニローネ通り7番地に小さな自転車店を開きました。
これが現代まで続くビアンキの始まりです。130年以上前ってことになります…Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
創業後、徐々に大きな店舗に移転したり工場を作ったり順調に拡大していきました。
そして、1895年にエドアルド・ビアンキは、モンツァのヴィラ・レアーレ邸に招かれ、イタリア王妃であるマルゲリータ・ディ・サヴォイアの依頼により女性用の自転車の制作を依頼されます。また、その時王妃に自転車の乗り方のレッスンをしたそうです。
チェレステカラーの秘密
ここで、チェレステカラーの話に戻ります。
このチェレステカラー実はこのマルゲリータ王妃の瞳の色を再現したものだという説があります!また、その年のミラノの空の色を見て現地の職人が色を調合するとも言われています。
なので、チェレステカラーは毎年微妙に違った色になっているらしく青みが強くなる年もあれば緑色の強い年もあるらしいです。ちなみに、チェレステはイタリア語で「青い空」という意味です。✨
Bianchiの歴史
1914年に、第1次世界大戦が勃発すると、1915年にはイタリア軍のためにマウンテンバイクを作りました。そのマウンテンバイクには、ライフルやマガジンを取り付ける台座がついていたそうです‼️1934年には、当時の首相ベニート・ムッソリーニがビアンキの工場を視察しました。
また、ビアンキは自転車だけでなく自動車やモーターバイクを作っていた時期もありあます。(実はイタリア最古の自動車メーカーでもあります。)
1998年には、イタリア人のマルコ・パンターニがジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランスの2大グランツールで同一年個人総合優勝しました。その時のマルコ・パンターニが乗っていたロードバイクがビアンキなんです!
この時、ビアンキではマルコ・パンターニのフレームを年間101本を造りました。
当時の主流だったアルミフレームは、各部の寸法やパイプの変更ができたのでパンターニは少しの違いによる加速性、反応性などをこだわりぬいたんです!
∑(゚Д゚)そのリクエストに応えることのできるビアンキも凄いです笑。
ちなみに、フレームのメイン素材がカーボンになってからカーボンフレームの製造にコストのかかる金型が必要なのでビアンキの自転車を使用している、チーム・ロットNL・ユンボ(現在のチーム・ユンボ・ヴィスマ)の選手ひとりが年間で使用する自転車は、選手によっても違いますが大体ロードバイク4台、TTバイク2台になったそうです。
カーボンフレームの場合は、金型から作り直す必要があるため細かな寸法の変更は出来ないのでフレームの使用数が減りました。
その後、色々あって現在に至るのですが色々ありすぎてどの情報が正しいのか判断つきませんでした(;_;)
なのでビアンキ公式からの情報だけ記載しておきます。ビアンキは、1997年に倒産後サイクルヨーロッパグループの傘下となりました。現在ビアンキはハイエンドモデルをイタリアの本社が製造、エントリーモデル等は台湾等で生産されています。
Bianchiの厳しい試験・特許技術
ビアンキ本社では現在、64カ国に年間約2万台の自転車が出荷されていて、自転車の組み立ては流れ作業ではなく組み立て専門の熟練工が1台の自転車につきひとりが組み立てにあたっています。
こうすることで、1台自転車に対して担当者が責任をもって生産することができます。そして、ISO(国際標準化機構)規格の要求する試験の最低1.5倍以上の試験を経てはじめて合格となります。最終終試験は生産される製品の50本に1本が試験に掛けられ、テスト後にはスクラップとして廃棄されるそうです。当然コストはかかってしまいますが、このような試験をすることで製品の品質が証明されます。
ビアンキ独自の技術として、カウンターヴェイル(特許取得)があります!これは、振動を除去する革新的な素材です。独自のカーボン繊維構造と粘弾性を持ち、フレームとフォークの剛性と強度を向上させながらも最大80%の振動を除去することが出来ます。
他にも、ビアンキではロードバイク、マウンテンバイク問わず新たな技術の開発をしています。以上が簡単なビアンキの創業から現代までです。ビアンキは、歴史が長すぎて他にも様々なエピソードがあるから気になった人は、調べてみるのもおすすめです!
Bianchiの事件
日本でビアンキの話をする上で避けては通れない事故があるのですが、これも紹介します。
2008年8月に茨城県の男性がビアンキ製のフロントサスペンションがついているクロスバイクに乗っていたら、フロントサスペンションのスプリングが折損し、フォークが分離したため、前方路面に顔面を強打、全身麻痺になってしまうという事故が発生しました。
これに関する裁判は、2013年3月25日に東京地方裁判所にて、日本でのビアンキ輸入元のサイクルヨーロッパジャパン株式会社に対し1億8900万円の賠償命令の一審判決が下されました。この事件は、2010年4月3日にTBSの「報道特集」で放送されたこともあり、ビアンキは、金銭面以上のビアンキブランドに対する信頼を大きく失いました。事故を起こしたクロスバイクは、ビアンキ直接の製造ではなく、当時の代理店であるアキボウが企画開発し、台湾穂高が製造したもので、ビアンキは名義貸しの状態ですが。もちろん現在は、その代理店との契約も終了している上、OEMでの製造も信頼できる委託先になっているので、ビアンキ本社以外が生産する自転車の安全性が劣るわけではありません。
Bianchiの販売店
ビアンキは、日本でも人気のメーカーなのでスポーツ自転車を取り扱っている店なら大体取り扱っています。しかも、日本にはビアンキの直営店が何箇所かあります!
ビアンキ 大宮店
引用:https://www.bianchi-store.jp/storelist/omiya
ビアンキの自転車に興味をもった人はぜひ、実際にビアンキの自転車を見に行ってみてください!
Bianchiロードバイク紹介
最後にビアンキのロードバイクを簡単に紹介していきます。
ビアンキには主に、エンデュランスロード、レーシング、グラベル、グラベルロード/シクロクロスやTTバイクなどがあります。今回はスピードを求めたレース等用のレーシングを紹介します。
レーシングの中にもSPECIALISSIMA(スペシャリッシマ)、OLTRE(オルトレ)、ARIA(アリア)、SPRINT(スプリント)があります。それぞれに特徴がありますが、今回はフラグシップモデルのSPECIALISSIMA(スペシャリッシマ)とOLTRE(オルトレ)の2つを紹介します!!
まずは、ワールドツアーで活躍するプロライダーの為に設計された、ヒルクライム、オールラウンド系バイクであるSPECIALISSIMAシリーズの最高峰がこちら。
こちらのバイクは、SPECIALISSIMA DISCのフレームにカンパニョーロ最高峰であるスーパーレコードを搭載したモデルです。価格はなんと1,738,000円[税込み]。 インテグレーテッドシートクランプシステムを採用し、シートチューブ上部の形状は、エアロ効果と高剛性、なおかつ快適性を向上しています!
フレームはビアンキ独自のカーボン素材、カウンターヴェイル搭載モデルで、フレーム重量は750gと軽量かつ、重量剛性比が優れたバランスのとれた軽量バイクです!!フレームのみでの価格は638,000円[税込み]。ちなみに、アルテグラ搭載モデルでは、803,000円[税込み]でプロと同じモデルを手に入れることが出来ます!
スペシャリッシマは「特別中の特別」という意味です✨
続いて、紹介するのは、ビアンキの誇る次世代エアロロードマシンOLTRE(オルトレ)シリーズです。OLTREにはXR4とXR3があります。簡単に説明すると、XR4はプロ選手の為に開発された最高峰のバイクです!XR3は、XR4の技術を受け継ぎながらも、より幅広いサイクリストへ向けて性能、そして価格に配慮して開発された戦略的モデルです。今回は最高峰モデルであるXR4をメインに紹介していきます!!
こちらのバイクはOLTRE XR4 DISCのフレームにデュラエースdi2を搭載したバイクです。価格は1,408,000円[税込み]です!エアロシェイプな形状は、空気抵抗を極限まで減らすためにCFDソフトと風洞実験により設計されています!また、こちらも上位モデルに搭載される振動除去機能を備えたカーボン素材(カウンターヴェイル)により、長時間エアロポジションを取ることを可能にしています。ちなみに、ディスクブレーキとリムブレーキのモデルがあります!
フレームのみでの価格は591,800円[税込み]となっています!フレーム重量は1000gを切ります。ケーブルの完全内装により、空力性能が向上しています。Metron 5D ACRエアロハンドルバーはさらに空気抵抗を減らしています。ちなみに、XR3は105モデルでの価格は426,800円ほどです!
次回はキャノンデールについて紹介していきます。実はキャノンデールという名前は駅名が由来です…!