身に着ける装備のエアロ効果

【自転車科学】+2.0km/h!? 体に身に着ける各種装備の驚愕なエアロ効果!

今回はサイクルジャージやヘルメット、サングラスなど体に身に着けるもののエアロ効果を紹介していきます。

今回紹介するもの全て導入した場合、時速40kmと同じ出力で時速42km巡行出来る計算になります。

主にスペシャライズドの風洞施設(Win Tunnel)で行っているものです。全6アイテム、エアロ効果の高い順に紹介していきます。

サイクルジャージ

この実験ではスキンスーツがレースモデルのサイクルジャージと比較してどれだけ違いがあるのかを検証します。(参考動画はこちら

レースモデルのサイクルジャージというだけあって多少しわがある程度で風でバタつく等は一切無く、空力性能はそれなりに良さそうです。
比較するのがこちらのスキンスーツです。
流石スキンスーツといったところでしょうか。しわが一つありません。

クリテリウムなどではスキンスーツよりサイクルジャージを着ている方のほうが多い印象ですが、果たして結果は…?

実験結果

40km走行時にスキンスーツのほうが96秒速いという凄まじい結果になりました。

これは19.8w削減することが出来、サイクルジャージで40km/hを出すのと同じ出力で41km/hで走ることが出来るということです。

恐るべしスキンスーツ…人間が占める空気抵抗がどれだけ大きいのかが分かります。

ヘルメット

近年、ヘルメットはAERO-R1やPROTONEのようなセミエアロモデルのヘルメットの人気が高いですが、どれだけの効果があるのでしょうか?(参考動画はこちら

この実験では1.軽量、2.セミエアロ、3.TTヘルメットの3種類でどれだけ差があるのかをテストします。

軽量モデルである「PREVAIL」に比べて40km走った際に何秒速くなったかを比べます、

実験結果

セミエアロモデルである「EVADE」軽量モデルのPREVAILより40秒速いという結果になりました。

TTモデルである「S-WORKS TT」軽量モデルのPREVAILより60秒速いという結果になりました。

ヘルメット一つでここまで違いが出るのは驚きです。

セミエアロモデルである「EVADE」が40秒速いというのは8.4w削減(40km/h)の効果があります。

TTヘルメットの60秒速いというのはなんと12.5wもの削減効果(40km/h)があります。

空気抵抗を減らすのにヘルメットが非常に重要なアイテムであることが分かります。想像していたよりもセミエアロモデルがかなり速いと思いました。

TTヘルメットは通気性や重量を犠牲にした上で成り立っているのを考えると空力・通気性・重量の3つのバランスが最も良く、汎用性の高いのはセミエアロモデルだと思われます。(参考動画はこちら

シューズカバー

エアロ効果が高いと言われているシューズカバーですが、その性能はいかに…?(参考動画はこちら

この実験ではBOAダイヤル2個の通常のシューズとS-WORKS SUB6で比較します。

こちらがS-WORKS SUB6です。靴ひも式で付属のカバー(ワープスリーブ)も取り付けて表面の凹凸を無くします。

実験結果

40km走行時にS-WORKS SUB6のほうが35秒速いという結果になりました。

これは7.4w削減と同じ効果です。(40km/h)今回の実験はシューズカバーではありませんが、シューズカバーの効果としての目安には十分なると思います。

シューズカバーは費用対効果が最高クラスのアイテムです。

veloToze(ヴェロトーゼ)のシューズカバーはプロ選手にも使用されており、2,500円ほどで購入することが出来ます。(参考動画はこちら

ゼッケンの付け方

続いてはレースに出る際は必ず付けるゼッケンです。実はゼッケンの付け方次第でタイムが変わります。

プロ選手の中では今や常識となっており、多くの選手がゼッケンの付け方を工夫しています。ゼッケンの付け方 プロ選手

ゼッケンの付け方一つで果たして何秒変わるのでしょうか…?

スペシャライズドの実験では安全ピン4本で四隅だけを止めたものと安全ピンを8本使用してゼッケンをサイクルジャージに密着させたもので比較しています。(参考動画はこちら

実験結果

40km走行時に安全ピン8本で止めたほうが9秒速いという結果になりました。

出力に換算すると1.9w削減出来る計算になります。(40km/h)

安全ピンを8本使用してサイクルジャージに密着させることにより、ゼッケンのバタつきが減り空気抵抗を削減することが出来たと思われます。

ゼッケンの付け方に関してはGCNも実験を行っているのでそちらも紹介します。

GCNによるゼッケンの付け方の実験

GCNは3種類固定方法で実験し、ゼッケンを付けない場合と比較しています。(参考動画はこちら

※GCNの実験結果をスペシャライズドに合わせて距離40kmを時速40kmで走行した際の短縮時間に変換して表記しています。

実験結果

40km走行時に安全ピン2本でゼッケンの上部だけを止めたほうが17秒遅くなるという結果になりました。(GCNの実験結果である30km/hの時に1.6w増加から算出)

これはゼッケンの上だけを固定しているので下側が激しくバタつくことによって空気抵抗が生じたものだと思われます。

安全ピン4本で四隅を止めた場合は4秒速くなるという結果になりました。(GCNの実験結果である30km/hの時に0.4w増加から算出)

ゼッケンを付けると通常空気抵抗は増加すると思われますが、これはスペシャライズドで使用したものとゼッケンの素材が違うのでバタつきが少なく、エアロフィンのような役割を果たしたからだと思われます。

最後にゼッケンの下二つを中央に寄せ、エアロ形状にした場合は14秒速くなるという結果になりました。(GCNの実験結果である30km/hの時に1.3w削減から算出)

考察

プロのタイムトライアルではスキンスーツにゼッケンポケットを設けて、ゼッケンによる空気抵抗を完全に抑えているチームもあります。

チャンピオンシステム ゼッケンポケット
引用:champion system

2014年の世界チャンピオンであるクヴィアトコウスキー選手は6本の安全ピンを使用して、ゼッケンをサイクルジャージに密着させています。

豆知識

日本のエースである新城幸也選手は海外の安全ピンは品質があまり良くなく、日本製にこだわっているらしいです。

実験結果からゼッケンをエアロ形状にするというのも魅力的ですが、現実世界では正面だけで無く多方面から風が吹くことやプロ選手を見るに、安全ピン+両面テープでゼッケンをサイクルジャージに完全に密着させるのが良いと思われます。

自転車界で人気なのが「NITTO 5000NS」という工業用の両面テープです。ウェア側に糊が残りにくく、確かな粘着力でゼッケンとの隙間を無くすことが出来ます。

※ゼッケンを返却する場合はゼッケン側に両面テープが残ってしまう可能性があるので安全ピンの数を増やすのが良いと思われます。

サイクルジャージに穴を開けたく無い方は「ゼッケン止め」がおすすめです。楽ピタは価格が安く、何回でも使用することが出来るのでおすすめです。可愛いリラックマのゼッケン止めなどもあります。

サングラス

最後に紹介するのはサングラスです。あまりサングラスによるエアロ効果の話は聞きませんが果たして差はあるのでしょうか…?(参考動画はこちら

1.スポーツサングラス、2.カジュアルサングラス、3.スキーゴーグルの3種類を比較します。

流石にスキーゴーグルで自転車に乗る方は少ないと思いますが…(笑)

実験結果

スポーツサングラスとカジュアルサングラスに空力性能の違いは無いという結果になりました。

40km走行時にスキーゴーグルは4秒だけ遅いという結果になりました。

40kmで4秒というのは0.8wほどの効果です。(40km/h)(参考動画はこちら

サングラスの占める空気抵抗は少ないことが分かりました。エアロ効果を考えるとサングラスでは無く、エアロR1などのシールド系が強いと思われます。

ツールドフランス2020・2021総合優勝者であるポガチャル選手の使用しているSCICON SPORTSのAEROWING LAMON (エアロウイング ラモン)は翼のような形状になっており、レンズの側面に沿ってスムーズに空気を拡散し空気抵抗を軽減するとしています。

何w削減されるかは分かりませんが、サングラスで空力性能を重視している珍しいモデルです。

引用:sciconsports

考察・分析

身に着けるものエアロ効果 実験結果

※TTヘルメットは60秒短縮なのでタイムトライアルなどではTTヘルメットがおすすめです。以後の計算は全て汎用性の高いセミエアロモデルの40秒短縮を用いています。

これら全てを導入した場合、40kmで161秒短縮できる計算になります。(40km/h・セミエアロモデルヘルメット)

これらは身に着けた際に各速度においての削減される出力をまとめました。

身に着けるものを最適化した際の低減出力

時速55kmのときは97.4wも削減出来るという凄まじい結果になりました。

仮に30kmのレースにおいての各速度において短縮時間を見てみましょう。

30km走行時における身に着けるものを最適化した際の時間差

これは30kmのレースを平均速度40km/hで走った際にこれらの装備を付けている人と付けていない人で約2分差も差が付くという計算になります。

まとめ

人間の占める空気抵抗はかなり大きく、ゼッケンの付け方一つでかなり差が出ることが分かりました。また、体に身に着ける系はシューズカバーなど費用対効果の高いものが多いです。

気候やレースのジャンルにもよりますがこれらの導入を検討する価値は十分あると思います。

計算条件

上記計算に使用した条件です。
また、上記計算では数値に若干のずれが生じることがあります。
※CdA:0.277[m^2]は、ドロップハンドルを握っている体勢における値です。

計算表

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