ロードバイクメーカー解説!!!! このシリーズでは、世界各国のロードバイクメーカーについて詳しく解説していきます。
今回は、大手自転車メーカーである、「メリダ」について創設から内部事情、近年の動きまで隅から隅まで解説していきます!
私が、メリダと聞いて真っ先に浮かぶのは日本人としてのグランツール最多出場をしている、バーレーン・ビクトリアスに所属している新城幸也選手です。
MERIDAとは
そんな新城幸也選手も乗るメリダの創業から紹介していきます。そもそもメリダは略称で、「メリダ・インダストリー」という会社です。メリダ・インダストリーは1972年創業の台湾の自転車メーカーで、現在は年間150万台も出荷するなんと世界第二位のロードバイクメーカーです。
ちなみに、世界第一位も同じく台湾のメーカー「ジャイアント」、第三位は中国のXDSというメーカーで、実は自転車製造の本場は中華です!
MERIDAの歴史。創業~
メリダの創業者である台湾人技術者のアイク・ツェンがアメリカを旅行中、自転車店の店頭にある張り紙に目が止まり、そこには、「台湾製の自転車は品質が悪いので、修理お断り」と書いてありました。
その言葉にショックを受けたツェンは台湾に戻り、高品質で長く乗れる自転車を作ろうと1972年にメリダを創業しました。ちなみに、メリダは、漢字で「美利達」と書き、「美しく、どこまでも走っていけて、そして楽しい」という意味です。
当初はOEMで他ブランドの自転車を製造していました。(OMEというのは簡単に言うと他社ブランドの製品を製造するってことです。)
その後、1988年にメリダブランドの自転車生産を開始しました。同時に、グローバル展開をスタートし、ノルウェー、ドイツ、イギリス、オランダ、スペインと欧州各国に販売拠点を増やしていきました。
そして、アメリカの自転車メーカー、シュウィンとキャノンデールが倒産し、OEMを依託されていた顧客を失ったことにより、自社ブランドの販売に力を入れていくことになります。
え、キャノンデールって倒産していたの?、いまでもよくキャノンデールの自転車見るよという方。(詳しくはキャノンデールを解説するときにしますが)キャノンデールは、モーターサイクル事業に乗り出したことが仇になって、経営危機に陥り、2003年に連邦倒産法第11章(チャプターイレブン)を申請して事実上倒産しました。
現在は、ドレルインダストリー傘下のサイクリングスポーツグループ社のブランドの一つになっています。
引用:https://centurion-bikes.jp/index.html
引用:https://www.boeblingen.business/arbeitgeber/merida-centurion-germany-gmbh
1998年ごろからメリダは、よりよい自転車を作るために、ドイツの会社で評判のよかった自転車メーカー「センチュリオン」と「メリダセンチュリオンジャーマニー」という合弁会社を作りました。
それ以降、ドイツで設計し、台湾の工場で生産するメリダ独自のスタイルが確立しました。その後、2012年には、研究開発拠点がメリダ・ヨーロッパR&Dセンターとして法人化し、現在でもここでメリダの新しい自転車が開発されています。
MERIDAの技術力
そして、生産の方は現在、台湾に1カ所、中国に3カ所の生産拠点を持ち、販売網も88カ国へと拡大し、世界中でメリダのバイクは乗られるようになりました。
生産技術も高く、1996年には、世界初ロボット溶接技術を確立し、アルミフレームの大量生産を可能にしました。そのため、メリダのアルミフレームは溶接部が凄く綺麗です。
アルミフレーム溶接現場、メリダ リアクト400(アルミフレーム)
引用:https://www.merida.jp/archive/merida_2020/lineup/road_bike/reacto_400.html
他にも、世界でも稀なマグネシウムフレームの製造を行っていたこともあります。
もちろん、カーボンフレームも作っています、メリダでは、最先端のカーボンテクノロジーを有するサプライヤーと協力することで、自分達だけでカーボンフレームを開発するよりもより良いフレームを作る事に成功しています。
例えば、SCULTURAのフレーム、CF5は様々な異なる特性のカーボンファイバーを積層する事で作られますが、一つのフレームを作るのに45時間もかかります!!。そして、フレーム重量は、730g(54サイズ)を達成しています!このCF5を採用した完成車は、2016年に、メリダが発表した、SCULTURA 9000LTDがあり、完成車重量で4.56kgです!。
個人製作のロードバイクならこれよりも軽いものもありますが、量産型ロードバイクでは当時世界最軽量です!
ただ、UCI(国際自転車競技連合)公認レースは、車両最低重量6.8kgと規定しているため、UCI公認レースでは、使用することができませんが。
そして、自転車乗りの憧れの一つであるスペシャライズドのS-WORKS!実はこのS-WORKSのOEM生産をしているのが、実は…MERIDAです!このことからもメリダの技術力の高さが伺えるんです!
引用:https://www.specialized.com/jp/ja/s-works-venge-disc—sram-red-etap-axs/p/171337?color=271662-171337
ちなみに、スペシャライズドは2000年に財務状況が悪化し、その時、メリダが同社49%の株を買い、メリダとの共同経営という状態を取っています。
また、メリダの工場ではパーツの在庫をできるだけ持たず必要な時に必要なだけ作る、ジャストインタイム生産システムを採用したことで、高効率、低コストの生産が可能となっており、値段の安さに繋がっています。
さらに、2013年には、UCIワールドチームのランプレメリダのスポンサーになり、2017年からはチームバーレーンメリダ、2022年にはバーレーン・ビクトリアスに機材を供給しいることから、ブランド力はこれからどんどん上がっていくと思います。
日本でも、バーレーン・ビクトリアスに新城幸也選手が所属していること、2014年からは、日本のコンチネンタルチーム、宇都宮ブリッツェンやレバンテフジ静岡など他にも、様々なチームに機材を供給しているため、知名度は跳ね上がっていると思います!
MERIDA X BASEの紹介
早速メリダに乗ってみたくなった皆さん、朗報です!
メリダは、2010年から、日本での販売をミヤタサイクルが担ってから現在では、サイクルべースあさひのような量販店にもメリダの自転車は置いてありますが、日本には、メリダの自転車を体験してみるのに最適な場所があります!
それは、2018年9月に静岡県伊豆の国市にオープンした、MERIDA X BASE🎉。広さ3000平方メートルの施設には、メリダの国内取扱カタログにある自転車200台以上が常に展示されていて、もちろんすべてレンタルすることができるます。100万円を超えるロードバイクだってレンタルできます✨。
他にも、Zwiftを体験できる施設や、サイクリングツアーなども開催していて、自転車乗りなら誰でも楽しめる施設です!(Zwiftを体験できる施設は現在中止中。(2021/7/18))
MERIDAのロードバイク紹介
簡単にメリダのロードバイクを紹介します。
メリダのロードバイクには、大きく分けて、スクルトゥーラ、リアクト、ライド、サイレックスの4つのシリーズに分かれおり、今回は、スクルトゥーラシリーズとリアクトシリーズを少し紹介します。
まず、リアクトシリーズは空力性能の良い、エアロフレームを採用しているロードバイクです。そんなリアクトシリーズの最高峰がこちら。
引用:https://www.merida.jp/lineup/road_bike/reacto_team-e.html
こちらのREACTO TEAM-Eは お値段1,375,000円 [税込]、エアロフレームにもかかわらず、完成車重量: 7.4kg(XSサイズ)。ケーブルやブレーキホースをフレーム内部に入れ、エアロ性能を向上しています。さらに、空力性能と快適性の両立を図ったシートステー形状になっています。
さらに、フレームの形状はリアクト独特のNACA Fastback形状を採用していて、最先端の技術を詰め込んだハイエンドバイクとなっています!ちなみにフレーム単体の価格は405,900円 [税込]、重量は965g(M) フォーク重量:457gです。TEAMっていうのは細部までパーツにこだわったチーム仕様モデルという意味で、プロの選手と同じバイクってことです!
引用:https://www.merida.jp/lineup/road_bike/reacto_8000-e.html
続いて、REACTO 8000-Eですが、見た目が似ています。そう!REACTO TEAM-Eと全く同じフレーム(REACTO CF5 IV)を採用しています!もちろんフレームのみでの価格や重量は一緒!完成車だとコンポーネント等の違いで、REACTO 8000-Eの価格は935,000円 [税込]、完成車重量: 7.7kg(XS)と、0.3kgしか変わりません。
続いて、スクルトゥーラシリーズは、ヒルクライム、オールラウンド系のロードバイクです。
今回紹介するのは、同じく最高峰である、スクルトゥーラTEAM-E。
引用:https://www.merida.jp/lineup/road_bike/scultura_team-e.html
SCULTURA TEAM-Eは、お値段 1,320,000円 [税込]とREACTO TEAM-Eに比べて少しお求めやすくなっています?(°Д°≡°Д°)?。
完成車重量は完成車重量:6.9kg(S)。
リアクトはXSサイズでしたが、こちらはSサイズなのを考えるとかなり軽いです!SCULTURA の立ち位置としてはオールラウンドセミエアロレーシングバイクであり、軽量なだけでなく、剛性や空力も考えれて作られています。フレーム単体では価格は361,900円 [税込]、重量は865g(Lサイズ)フォーク重量は380gです。
引用:https://www.merida.jp/lineup/road_bike/scultura_8000-e.html
リアクトと同じように、SCULTURA8000も同じフレーム(SCULTURA CF4 disc)を使用しています。
もちろんリアクト同様、フレームのみでの価格や重量は同一です!完成車だとコンポーネント等の違いで、 SCULTURA 8000-Eの価格は792,000円 [税込]、完成車重量:7.3kg(S)と、0.4kgしか変わりません。
続いては、エントリーモデルです。
引用:https://www.merida.jp/lineup/road_bike/scultura_rim_100.html
こちらのSCULTURA RIM100の価格は、109,890円 [税込]で、この値段、アルミフレームでありながら完成車重量10kgを切る9.4kg(XSサイズ)に抑えています。コンポーネントには、シマノのクラリスを搭載し、初めて買うロードバイクとしてなら十分な性能があります。
また、この価格帯のロードでは珍しく、ケーブル類をフレーム内に内装しており、さらにフォークもカーボンになってるから、振動吸収性が高く、快適に乗ることが出来ます。
続いて、リアクトシリーズからリアクト400を紹介します。
引用:https://www.merida.jp/archive/merida_2020/lineup/road_bike/reacto_400.html
リアクト400は、値段169,900円でアルミフレーム、エアロ形状という重量が増加する要素を抱えているにもかかわらず、重量9.3kg(Sサイズ)です。
コンポーネントには、レースなどでも充分使えるシマノ105を採用していて、リアブレーキには空気抵抗を抑えるためダイレクトマウントブレーキを採用しています。
※記事は参考程度に実際に試乗等してから購入するのがおすすめです!