最速シューズカバー

【全26社から厳選!!】最速のエアロシューズカバーはどれだ?ベスト3を紹介!(自転車科学)

シューズカバーの費用対効果が良いというのは、よく聞く話だと思います。

しかしシューズカバーには様々な種類があります。一体どれが1番速いのでしょうか?

ユンボヴィスマTT引用:jumbovisma

シューズカバーの効果には防水・防寒などもありますが、今回は速さに絞って最速のシューズカバーを見つけていきたいと思います。

最も速いシューズカバーを選ぶにあたってまずは、2021年に各ワールドチームがTTに使用しているシューズカバーを確認してみました。(間違いがあったらごめんなさい!!🙇)

※風洞実験をしていれば○、何w削減などの数値が出ている場合○になっています。未発売や非売品などで商品ページが見つからないものは?になっています。(風洞実験や数値はホームページに書いてあるかが判断基準となっています)チーム名は一部略称になっています。

UCIワールドチームごとのシューズカバー表

ALEのシューズカバーが最も多く、お馴染みのvelo Tozeも2チーム使用しています。非売品なのか商品ページの見つからないものも多かったです。

この他にもBIORACER、Champion System、Pearl Izumi、CCN、WAVE ONE、SIDI、GIRO、primor、HUUB、PRIMOR、aerocoachの全26社を調べました。

私が調べた26社のなかで風洞実験を行い、数値を公表しているものはveloToze、nopinz&aerocoach、Rule28の3種類だけでした。

第3位から順に紹介していきます!

第3位 veloToze

シューズカバーと言えばveloToze(ヴェロトーゼ)という方も多いのでは無いでしょうか?

velotozeシューズカバー引用:veloToze

全8色とカラーラインナップも豊富で、レース会場に行ったら必ず見る人気なシューズカバーです。ただ、付け外しが面倒なのと完全防水なので通気性が無く、かなり蒸れます。

UCIワールドチームではボーラハンスグローエイスラエル・スタートアップネイションが使用しており、安価でプロと同じアイテムが使えるのもveloTozeの魅力の一つです。

実験結果

veloTozeの風洞実験はドイツのGST風洞施設で行われました。

velotoze風洞実験引用:bikeboard

シューズカバー無しと比較して、時速45kmにおいてveloTozeは約3w削減という結果になりました。(Schuh=靴)

velo toze実験結果引用:bikeboard

veloTozeには長さの違う3種類のモデルがあります。正面、横風共に最も効果が高いのは足首までのモデルという以外な結果になりました。

2020年には金型を再設計し、耐久性を上げたRoad2.0シリーズに生まれ変わっています。
2021年には付け外しが容易&耐久性の高い、合成シリコン・ボタン止め式のモデルが加わりました。

Amazon楽天市場などでも約2,500円と安価に購入することができます。wiggleでは1,000円代から購入することができ、防水対策のために1枚持っておくのもおすすめです。

第2位 nopinz&aerocoach

第2位はウェアブランドであるnopinz(ノピンツ)と空力学のスぺシャリストであるaerocoach(エアロコーチ)がコラボして開発した商品です。

nopinzaerocoach
引用:nopinz

こちらはUCIモデル↑と丈の長い非UCIモデルの2つがあります。

非UCIとは?

UCI(国際自転車競技連合)は2019年より「競技で使用される靴下とシューズカバーは、外側のくるぶしから膝の中央までの半分の高さを越えてはならない」という規則を厳格化しており、簡単に言うと極端に長いシューズカバーなどはUCI規定を採用しているレースでは使用してはいけないということです。

UCIルール引用:UCI

実業団ロードレースや一部のホビーレースなどのUCI規定に準拠しているレースでは、非UCIの長いシューズカバーは使用してはいけません。

実験結果

時速45km/hにおいてUCIモデルは7.1w削減、非UCIモデルは9.1w削減という結果になりました。

nopinz 実験結果引用:nopinz

7.1w削減というのは巡行速度+0.3km/hほどの効果があります。(45km/h計算)

風洞実験で効果が証明されているSpeedscalezとGrannonの繊維を組み合わせてエアロ効果を発揮しています。裏面はマジックテープで止めれるようになっており、付け外しのしやすい実用性も高いシューズカバーです。

エアロコーチ 後ろ引用:nopinz

nopinzの公式サイトaerocoachの公式サイトでのみ購入可能です。価格は8,000円ほどです。

第1位 Rule28

第1位のRule28(ルール28)は「地球上で最速のウェアを生産すること」を目標に2017年にイギリスで設立した会社です。シューズカバーだけで無く、サイクルジャージなども販売しています。

日本でも近年少しずつ見るようになってきた印象です。

Rule28ソックス引用:Rule28

UCIワールドチームではロット・スーダルが使用していますが、公式ホームページのスポンサーにRule28の名前が無いので、自費?で購入しているものと思われます。

実験結果

時速45kmにおいて9.334w削減でき、最も速いという結果になりました。

Rule28風洞実験
引用:Rule28

これは、巡航速度+0.38km/h(45km/h計算)ほどの効果があり、距離20km、平均速度40kmのレースにおいて23秒も差が付く計算になります。(40km/h:6.556w削減)

Rulle28の特徴的な部分はかかとまでシューズカバーで覆われているということです。通常は歩きやすいようにかかとの部分は覆わずに靴が剝き出しになるようにしているのですが、Rule28はかかとまで覆うことでエアロ効果を高めています。

かかとまでカバー引用:Rule28

荒れた路面を歩くと穴が開く可能性が高く、自転車を最速で走らせることに特化しています。

Rule28にもUCIモデルと非UCIモデルがあります。非UCIは具体的な数字は出ていないのですが、nopinz同様2w程度上がるとすれば、11w以上削減できる計算になります。

非UCIシューズカバー引用:Rule28
Rule28の公式サイトのみで購入可能で、価格は10,000円ほどと高めです。※購入する際、JCBカードは使用できません(2022年1月)、Rule28の詳しい計算方法は記事最後に記載しています。

もしかしたら1位かも?!

数値は公表していないものの、風洞実験をしており個人的に効果が高そうだなと思っているものを2つを紹介します。

BIORACER(ビオレーサー)

実は記事を制作する前は「BIORACERが1位なのかな?」となんとなく思っていました笑

BIORACERはベルギーのウェアメーカーで、オリンピックや世界選手権で600個以上のメダルを獲得しています。東京オリンピックにおいても銀メダルのトム・デュムランが使用していました。

オリンピック銀メダル引用:jumbovisma

日本ではRoppongi Expressの高岡亮寛選手や、富士ヒル王者の池田隆人選手がBIORACERのシューズカバーを使用しています。

数値は公表していませんが、これらの確かな実績や風洞実験施設を建設している点などからBIORACERのシューズカバーもかなりの効果があると思います。

Amazonなどでは販売されておらず、公式サイトで購入することが出来ます。価格は8,000円ほどです。

Castelli(カステリ)

マージナルゲインの生みの親である、イネオス・グレナディアーズが使用するシューズカバーというだけあって性能は保証されていると思います。

2020年&2021年個人タイムトライアル世界選手権優勝のフィリッポ・ガンナも使用しています。※2022年からイネオスのウェアスポンサーはBIORACERになります。>

↑こちらの「FAST FEET TT SHOECOVER」は各通販サイトや公式サイトでも売り切れていますが、FAST FEET ROAD SHOECOVER楽天市場で購入することが出来ます。(約5,000円、2022年1月時点)

まとめ

シューズカバーまとめ

数字で見ると最も速いシューズカバーはRule28ということになりました。確実な最速を求める方はRule28のシューズカバーが適していると思われます。

初めてのシューズカバーにはUCIワールドチームも使用しており、価格や販売サイトの多さなどからvelo Tozeがおすすめです。

※実験条件(比較シューズ)などが統一されていないので、完全に数値通りとういわけでは無いですが参考にはなると思います。

補足・計算方法

マージナルゲインとは?「チーム・スカイ」(現イオネオス)を総合優勝に導いたゼネラルマネージャーであるブレイルスフォードが提唱した考え方です。

1%の戦略とも呼ばれ、小さな改善を徹底的に積み重ねていくことで最終的な成果を目指します。

「小さな積み重ね=大きな成果」

Rule28の計算方法Rule28のシューズカバーはRule28のエアロソックスに比べて6w削減出来るという結果になっています。

エアロソックスCdA引用:Rule28

こちらのグラフはRule28が公開している他社とのエアロソックスにおけるCdA(前方投影面積)の比較です。時速45km(12.5m/s)の部分を見てみると他社製品は約0.225、Rule28は0.222となっています。これは、他社製品に比べてRule28のエアロソックスは0.034w優れていることを意味します。

 

nopinzのエアロソックスが3.1~5.3w削減すること、Deffet社の「一般的なエアロソックスは時速45km時に3.3w削減という研究結果も合わせて、Rule28のエアロソックスの効果は3.334w削減と思われ、Rule28のエアロソックスより6w削減出来るシューズカバーは9.334wほどの削減効果があると計算しました。※全て時速45kmにおいての効果に計算で変換しています。

計算に使用した条件です。また、数値に若干のずれが生じることがあります。
※CdA:0.277[m^2]は、ドロップハンドルを握っている体勢における値です。

計算表

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